研究内容


  細胞が正常な生命活動を営むためには,幾重にも存在する調節機構が正常に働かなければなりません。このような調節機構の破綻が病気を引き起すことから,細胞の正常な生命活動を知ることは,疾患の原因を知るためにも重要です。私たちの研究室では,生命現象を分子の挙動として解明する,即ち生化学的に解明するために日々研究に取組んでいます。生命現象の解明およびがんや神経変性疾患の病因解明を目指し,治療への応用につなげいきたいと考えています。


① 細胞分裂・細胞周期の制御機構

  細胞が増殖する際,細胞は遺伝子の複製と細胞分裂から構成される細胞周期を繰り返します。受精卵が個体になるまで,数多くの細胞分裂を繰り返し,成体になった後も,様々な場所で細胞の再生産,即ち細胞分裂が起こっています。細胞分裂で最も重要なことは細胞分裂の結果産生された娘細胞が完全に同じ遺伝子のセットを受け継ぐということです。そのために数多くの制御機構が存在し,私たちは,細胞分裂や細胞周期の制御機構の解明を目指しています。


    J Biol Chem 2012,    Eur J Cell Biol 2012,    Cell Biol Int 2010,

    Dev Cell 2009,    Exp Cell Res 2009,    J Biol Chem 2007,   

    Arch Biochem Biophys 2007,    J Cell Sci 2001














② 細胞分裂異常とがん

  細胞分裂の異常は,染色体の獲得や消失を介して細胞死や細胞のがん化に繋がります。正常細胞で細胞分裂を制御するタンパク質ががん細胞では過剰に存在する例が数多くあり,そのために細胞分裂異常を引き起すことがあります。私たちは,細胞内シグナル伝達に関わるタンパク質の増加と細胞分裂異常との関連,がん化やがん悪性化との関連を解析しています。 Exp Cell Res 2013















 




③ 分子シャペロンとがん

  ある種のがん組織では分子シャペロンが高発現しており,がんの悪性度との相関性が明らかになっています。近年,これら分子シャペロンの発現や機能を調節することが,がんの治療に有効であることがわかってきました。私たちは,がんの診断や治療への応用を目指して,がん細胞における分子シャペロンの発現メカニズムの解析や分子シャペロンの発現を制御する薬剤を探索しています。また,がん化やがん悪性化のメカニズムとして,分子シャペロンと細胞分裂異常との関係について解析しています。






















 

細胞質分裂

 細胞はDNAを分配した後,細胞質分裂により細胞を二分する。

 微小管(緑),DNA(赤)。

研究内容