開催にあたってのご挨拶
この度、第36回日本微量元素学会学術集会の会長を拝命いたしました。
この歴史と伝統のある学術集会の会長を務めさせていただくことを大変光栄に感じております。会期を令和7年9月20日(土)~21日(日)の2日間としまして、京都薬科大学躬行館(京都市山科区)に於いて開催させていただきます。京都での開催は平成28年以来であり、9年ぶりの開催となりますが、今回は大阪・関西万博の期間中でもあります。また、日本微量元素学会が一般社団法人となってから、京都での開催は初めてとなります。
本学会の学術集会会長として京都薬科大学からは、平成17年に第16回大会を当時の代謝分析学教室 桜井 弘教授(現在は京都薬科大学 名誉教授)が務められており、日本微量元素学会の今日までの発展に多大なる貢献を成されております。桜井 弘先生は、当方の研究室の先代教授であり、私にとりましては「学問と研究の師」であります。同じ研究室の主任教授が、二代に渡って本学術集会の会長を務めさせていただくことは本当に栄誉であり、先代の先生の果たされたご功績に恥じることのないよう、研究室員一同が鋭意準備して参ります。
本学術集会は、「人生100年時代を健康に生き抜く」を旗幟とし、微量元素が関わる各専門領域の研究進展や国民の健康福祉への社会貢献を図ることに主題を設定いたしました。
プログラムは、一般演題(口頭発表とポスター発表)の他に、特別講演、教育講演、受賞講演、シンポジウム1・2、ランチョンセミナーを予定しています。特にシンポジウムでは、微量元素の分析科学に関する基礎と臨床、微量元素の栄養と医薬に関する基礎と臨床をまとめて講演いただき、現状と今後の基礎研究からさらなる臨床研究や臨床応用を目指して、多様な角度から活発に議論していただきたいと存じます。
また、学部生・大学院生・若手研究者(2025年4月1日時点で35歳以下)を個別の対象として、若手優秀発表賞を授与します。若手の皆様におかれましては、奮ってのご参加とご発表をお願い申し上げます。
加えて、会期前日の9月19日(金)には、日本学術振興会の「R051メタロミクス委員会」の2025年度シンポジウム(オープン形式)を日本微量元素学会との共同により、JR京都駅前のキャンパスプラザ京都に於いて開催させていただきます。共同開催により、産官学の多方面から相互に新規参加者を見込めるものと思います。これらにより、多くの参加者の皆様にとって新たな交流と研究展開がもたらされる機会を提供できるものと期待します。
まだ残暑が続きそうなお彼岸直前の、千年を超える古都京都の初秋の空の下、この先の若い世代へと継承する微量元素研究の道程を進み続けるべく、多数の皆様のご参加を心よりお待ち申しあげます。
2025年6月 第36回日本微量元素学会学術集会会長 京都薬科大学 代謝分析学分野 教授 安井 裕之 | ![]() |