京都薬科大学分析薬科学系 -Analytical Chemistry-

研究内容

研究内容

研究内容1

1.ナノ粒子を用いた疾患ナノ診断法の開発

 本研究では“How can we enhance the signal?”をテーマに、Signal generator(信号発生器)やSignal amplifier(信号増幅器)として利用可能なナノ粒子(リポソームやエマルション)を開発し、そのナノ粒子に生物発光法や電気化学的発光法を組み合わせて、各種疾患のバイオマーカーを高感度に分析できる疾患ナノ診断システムを構築します。

@ポリジアセチレンリポソーム型イクオリン発光デバイスの開発
Aイオン液体ナノ粒子の開発と電気化学的発光法への応用研究
 2021年度 文部科学省科学研究費助成事業(科研費)基盤研究(C)
 「多粒子結合イオン液体ナノ粒子を用いた超高感度電気化学発光イムノアッセイ法の開発」

2.フッ素核磁気共鳴法を用いた疾患診断法の開発

 フッ素は生体中にほとんど存在しないことから、フッ素核磁気共鳴法(19F-NMR)で生体試料を測定した場合、生体物質由来の妨害シグナルの影響を受けずフッ素化合物を測定できます。本研究では、癌細胞、あるいはNOやCOに次ぐ第3の生理活性物質であるH2Sを検出できるプローブやそれらを応用した疾患診断法を開発します。

@マルチカラー19F-MRイメージングに基づいた癌診断法の開発
A癌細胞に特異的な19F-NMRプローブの開発
BH2Sを検出可能な19F-NMRプローブの開発

研究内容3

3.分子インプリントポリマーを用いた人工免疫センサーの開発

 本研究では、採血することなく、また苦痛を感じることなく、すぐに検査結果が分かる新規臨床分析法として、いつでも、どこでも、誰でも簡単に使用することのできる人工免疫センサーを開発します。

@人工抗体とも呼ばれる分子インプリントポリマーを用いた電位検出型人工免疫センサーの開発
A苦痛軽減および簡略化を目的とした貼付型センサーの開発
B人工免疫センサーによる血液検査への応用研究

4.抗体工学を基軸とした高感度免疫測定法の開発

研究内容4

 免疫測定法は抗原抗体反応を原理とする微量定量法ですが、その感度は、試薬として用いる抗体の性能に大きく左右されます。本研究では、抗体の構造を遺伝子操作で改変する「抗体工学」の手法を用いて高性能な「人工抗体」を作製し、高感度免疫測定法を構築します。