本研究では“How can we enhance the signal?”をテーマに、Signal generator(信号発生器)やSignal amplifier(信号増幅器)として利用可能なナノ粒子(リポソームやエマルション)を開発し、そのナノ粒子に生物発光法や電気化学的発光法を組み合わせて、各種疾患のバイオマーカーを高感度に分析できる疾患ナノ診断システムを構築します。
フッ素は生体中にほとんど存在しないことから、フッ素核磁気共鳴法(19F-NMR)で生体試料を測定した場合、生体物質由来の妨害シグナルの影響を受けずフッ素化合物を測定できます。本研究では、癌細胞、あるいはNOやCOに次ぐ第3の生理活性物質であるH2Sを検出できるプローブやそれらを応用した疾患診断法を開発します。
本研究では、採血することなく、また苦痛を感じることなく、すぐに検査結果が分かる新規臨床分析法として、いつでも、どこでも、誰でも簡単に使用することのできる人工免疫センサーを開発します。
免疫測定法は抗原抗体反応を原理とする微量定量法ですが、その感度は、試薬として用いる抗体の性能に大きく左右されます。本研究では、抗体の構造を遺伝子操作で改変する「抗体工学」の手法を用いて高性能な「人工抗体」を作製し、高感度免疫測定法を構築します。