生体内の微小環境情報に基づいた物性制御による環境応答型インテリジェントナノDDSの創成 | 文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

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事業概要

代表研究者ご挨拶

本研究プロジェクトは、疾患組織における微小環境の特徴を明らかにすることで、従来DDSでは不可能だった、疾患部位特異的な革新的インテリジェントナノDDSの創成を目的としています。腫瘍に関しては、微小環境の特性とDDSへの展開が数多く報告されていますが、 肥満や消化器疾患、炎症、感染症などは、DDSを意識した微小環境研究はほとんどありませんでした。そのため、本プロジェクトが目指す革新的インテリジェントナノDDSの開発は、多様な病態・疾患に個別適用可能な新しい薬物治療法の提案に繋がることが期待されます。本研究プロジェクトでは、若手研究者の自由な発想を存分に発揮できる場を提供することで、次代の研究者育成も目的としています。

京都薬科大学 分析薬科学系 薬品物理化学分野
教授 小暮 健太朗

本プロジェクトの目的・意義

腫瘍など疾患部位は、ヘテロな環境であることが明らかとなりつつあります。マクロ的視点では明らかにできなかったミクロな環境(微小環境)の特異性を解明することによる、従来DDSで不可能であった疾患部位特異的な薬物送達の開発が必要です。他方、これまで in vitro 研究と in vivo 研究間における大きなギャップの存在が問題となっています。これは、生体を「均質なもの」として捉えることが大きな原因と考えられます。すなわち、生体のヘテロ性(特異な微小環境)を正確にとらえ、それに基づいてDDS戦略を立脚することが重要です。本研究では、疾患微小環境情報を探索し、その特異性に応答可能な革新的インテリジェントナノDDSの創成を目的とした研究拠点形成を目指します。

本プロジェクトの特色

本研究プロジェクトは、大半が准教授・助教から構成され、さらにポスドクPDや博士課程学生がリサーチアシスタントRAとして加わることで、若手研究者の自由闊達な発想を存分に発揮してもらう場を提供し、次世代の研究者育成を狙うことも目的の一つです。

本プロジェクトにより期待される効果

開発を目指すインテリジェントナノDDSは、腫瘍・メタボリックシンドローム・感染症等の多様な病態・疾患に適用可能な新しい治療法の提案につながり、我が国の健康・福祉に大いに貢献することが期待されます。すなわち、本研究プロジェクトは、従来の学問領域の枠組みを超えた「個別疾患対応薬物送達学」とでも言うべき新しい学問領域の提唱に繋がるものです。

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