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京都薬科大学 生命薬科学系
Kyoto Pharmaceutical University Division of Biological Sciences
公衆衛生学分野
Department of Public Health
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京都薬科大学新3年次生向け説明ポスター


私達は疾病を予防するための研究を行っています.


  現在,「がん」は日本における死因の1位を占め,総死亡数の約1/3が「がん」によることから,その予防・対策は非常に重要です.「がん」は遺伝子毒性物質によりがん遺伝子やがん抑制遺伝子に突然変異が生じることによって起こると考えられています.また,近年黄砂などの大気汚染イベント発生時に喘息などの呼吸器症状が増悪することが報告されています.当分野はそのような呼吸器症状増悪物質の解析および,がん細胞で活性化・不活性化されているシグナルへの特異的な作用や,抗遺伝毒性を有する天然有機化合物を見出すことにより,疾病の予防を目指した研究活動を行っています.

1.黄砂・大気粉塵及びそれらに含まれる呼吸器症状増悪物質に関する研究


  当分野では,国内外の研究機関と連携し,大気中を浮遊するバイオエアロゾルなど呼吸器症状増悪物質を調査し,大気の汚染状況を明らかにするとともに中国大陸からの長距離輸送の影響などについて解析を行います.また,各地の医療機関と連携することで,呼吸器症状の悪化と大気環境の関係性を調べています.これらの解析により,喘息発作と関連する大気汚染物質を明らかとすることで,呼吸器症状悪化予防の助けとなる知見を見出します. [新3年次生は配属しません]



2. 天然物からの疾病予防成分の探索研究


2-1.天然由来新規機能性 (抗発がん・がん再発予防) 成分の探索

  これまでの医薬品開発において非常に重要な役割を果たしてきた天然物からは,今後も,がんの治療・予防に有効な医薬品シード化合物を見出せる可能性があります.当分野では食用に用いられている植物などの天然物中に含まれる新規機能性成分を順相・逆相 ODS カラムクロマトグラフィーおよび HPLC 等を用いて単離します.そして, NMRおよびECD スペクトルなどの解析により,得られた化合物の化学構造を明らかとします.さらに,新規化合物の活性評価を目的とした合成も行います.


2020年,これらの新規化合物の化学構造・活性について報告しました.


2-2. がん幹細胞毒性評価

  がん幹細胞は,がん組織中に少数存在し,既存の抗がん剤に抵抗性を示すと共に,自己複製能および多分化能を有することが知られており,がんの再発が起こる一因とされています.当分野で見出した天然有機化合物について,がん幹細胞に対する影響を評価します.また,がん幹細胞への毒性の見られた化合物については,その作用機序の解析を行います.


2-3. HSP (Heat Shock Protein) へ与える影響の解析

  熱ショックタンパク質 (HSP) は様々ながん細胞において過剰発現しており,酸化ストレス等によるアポトーシスを抑制することで,抗がん剤抵抗性に寄与しています. HSP阻害剤を既存の抗がん剤と併用することにより,がんを根治し,再発を予防できる可能性が高まると考えられるため,がん再発予防物質探索の一環として, HSP の機能を阻害する物質の探索および機序の解明を行います.


2-4. in vitro・in vivo 抗遺伝毒性評価

  抗遺伝毒性を有する化合物を食品として継続的に摂取することにより,遺伝毒性物質による発がんを抑えることが出来ると考えられます.そこで,食品として用いられている植物含有成分について,In vitroあるいはIn vivo試験を用いて抗遺伝毒性評価を行うことで,がんの予防に有効な化合物を見出します.

Additional informations


主な共同研究先:佐世保市総合医療センター,福岡徳洲会病院,洛和会音羽病院,摂南大学薬学部,長崎国際大学薬学部,兵庫医科大学,福岡県保健環境研究所,Forest department Sarawak など

京都薬科大学新3年次生向け説明ポスター(PDF)はこちら
京都薬科大学新3年次生向け配布資料(PDF)はこちら
※ いずれも2021年度用資料です.

COVID-19終息後は,お花見,新歓・卒コンなどのレクリエーションも行う予定です.また,駅伝大会やソフトボール大会など各種スポーツ大会にも参加したいと思います.

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