表計算ソフトの基本操作
主な到達目標
●Excelを用いて簡単なワークシートを自力で作成できる
●教員の指示の出し方に慣れ、次回以降の授業での操作に確実についていけるようにする
演習内容
●簡単な表とグラフの作成
●線形近似と値の予測
手順を以下に示します
使用するファイル等
参考リンク
Excelの基本構成について
●Excelの使用準備
Excelを起動します。
「空白のブック」を選択します。
[ページレイアウト]→[テーマ]→[フォント▼]から
「Arial-Times New Roman/MSPゴシック/MSP明朝」を選択します。
「クイックアクセスツールバー」の[上書き保存]をクリックします。
「名前を付けて保存」の[参照]をクリックします。
「名前を付けて保存」ダイアログが出てくるので[ドキュメント]フォルダに[ファイル名]"Book1"で[保存]します。
以後、万一の事態に備え適宜上書き保存推奨。
●簡単な表とグラフの作成
このような感じの報告書を作成します。
まず、キー入力すべき文字、数値を各セルに入力します↓これら以外は手入力はしません。
A1セルからH1セルまでドラッグしセル範囲を指定して『セルを結合して中央揃え』します。
結合して出来た大きなA1セル全体の書式設定(フォントサイズの変更)をしてみます。
A1セル内の文字単位で書式設定するためにA1セルをダブルクリックしセル内の編集モードにします。
編集用のマウスポインタ(I字状)でA1セル内の最初の4文字をなぞって選択します。
選択すると書式設定バーが出てくるので、フォントの種類と色の変更をしてみます。
編集用のマウスポインタ(I字状)で次の5文字をなぞって選択し、フォントサイズを変更します。
残った6文字を選択し、フォントの色を変更します。
Excelの機能を使って、表の残りの部分を埋めていきます
まず、「オートフィル」機能を使います。お手本となるB3セル(1月)をクリック選択し、
選択枠(太線)の右下のフィルハンドル(黒点)を「3月」と表示されるところまでドラッグして
オートフィル
します。
A8セルをクリック選択し、選択枠(太線)の上にマウスポインタを合わせて下図のようなポインタの状態で
E3セルまでドラッグドロップします。
移動してしまいます。
[Ctrl]+Zで元に戻り、今度は[Ctrl]を押しながら選択枠の上にマウスポインタを合わせ、
上図のようなポインタの状態でE3セルまでドラッグドロップします。
コピーできました。
イレッサの売上合計を計算するためE4セルをクリック選択し、合計ボタン[Σ]を押すとセルに自動入力されます。
"="が先頭に付くと続く文字は計算式とみなされます。合計を計算するワークシート関数『SUM』による単項式を計算します。
単項式"SUM(B4:D4)"はB4セルからD4セルまでの3つのセルの値を引数として合計を計算する式になっています。
イレッサの売上合計を正しく計算する式になっているので[Enter]キーを押してE4セルの内容を確定します。
E4セルに合計が表示されますが、これはE4での現時点での計算値を表示しているに過ぎず、
E4を再度クリック選択すると『数式バー』でE4セルの内容の実態が確認できます。
また、このように計算式で他のセルの内容を引用することを「セルの参照」と呼びます。
ここではE4セルから左隣の3つセル、(B4:D4)セル範囲を参照しています。
同様の合計計算を他の医薬品についても行うためE4セル選択枠の右下のフィルハンドルをE7セルまでドラッグしてオートフィルします。
E5からE7セルの内容をクリックして「数式バー」で内容を確認してみると、
それぞれ(B5:D5)、(B6:D6)、(B7:D7)のセル範囲が参照されています。
「オートフィル」のお手本となるE4セルでは(B4:D4)を参照していましたが、
「オートフィル」では、埋められる(フィルされる)セルからの参照位置は”相対的な”ものになります。
もし、”絶対的な”セルの参照が基本であれば、E5からE7セルからの参照は全て(B4:D4)範囲になってしまいますが、
今回の場合は「相対参照」が都合が良いことが分かります。
「オートフィル」は「相対参照」が都合が良い場合が多いですが、そうでない場合も時々あります。
同様にワークシート関数SUMを使って1月の合計を算出します。
さらに1月の合計が計算できたB8セルからオートフィルで2、3月、および総合計を算出します。
F4セルを選択し、合計ボタン[Σ▼]をプルダウン、[平均]を使ってイレッサの月平均を算出します。
自動入力されたワークシート関数AVERAGE(平均)のデータ範囲が間違っている(A4:E4)ので、
正しいセル範囲(A4:D4)をドラッグします。
正ししい数式にしたら[Enter]キーを押してF4セルの内容を確定し、次はG4セルに最大値を計算します。
データ範囲を修正します。
[Enter]キーを押してG4セルの内容を確定し、次はH4セルに最小値を計算します。
データ範囲を修正します。
[Enter]キーを押してH4セルの内容を確定し、セル範囲(F4:H4)を選択します。
選択したセル範囲の選択枠(太線)の右下のフィルハンドル(黒点)をE7セルまでドラッグしてオートフィルします。
すべての薬物と合計に対して、月平均、最大値、最小値が計算できました。
金額が表示されているセル範囲(B4:H8)を選択し、選択したセル範囲に通貨表示形式を適用します。
通貨表示になりましたが、セルを選択すると中身は数値や数式のままであることが数式バーで確認できます。
表全体のセル範囲(A3:H8)を選択します。
表に対しての書式設定は『スタイル』リボンから
『条件付き書式』、『テーブルとして書式設定』、『セルのスタイル』などが使えますが、
例として『条件付き書式』を使ってみます。
『条件付き書式』→『カラースケール』→『緑、黄、赤のカラースケール』を選択します。
他の書式設定も試してみてください。表は完成です。
次に、各薬物の売上データをグラフ化するために項目名を含むセル範囲(A3:E7)を選択し、
選択範囲末端に現れる「クイック分析」バーをクリック。
『グラフ』をクリック、左から2番目の『集合縦棒』をあえて選択してみます。
横軸が月、データ系列(棒の色)が薬物の棒グラフが出てきます。
グラフの四隅と四辺の真ん中に○がついている”選択された状態”では『グラフツール』が有効になるので、
その中の『デザイン』→『データ』→『行/列の切り替え』のクリックで、
ワークシート上(1月→2月→3月)と列ごとに読んでいた横軸データを
行ごと(イレッサ→グリベック→タミフル→アリセプト)に切り替えることができます。
グラフの空白部分をドラッグして位置を、○をドラッグしてサイズを調整します。
(グラフなどのワークシート上に張り付いたオブジェクトは[Alt]キーを押しながら位置やサイズ調整すると、
オブジェクトの枠線がセルの枠線にスナップインするので調整がしやすくなります)
[Alt]キーを押しながら左上隅がA10セルに合う位置に移動。
[Alt]キーを押しながら右端がH列に合う幅に変更。
[Alt]キーを押しながら下辺が40行に合う高さに変更。
「グラフタイトル」テキストボックスをクリック選択し、[Delete]キーで削除。
報告書完成です。
●線形近似と値の予測
【ここからの解説ビデオ】
このような感じの計算シートを二つ目のワークシートに作成します
[Sheet1]の右隣の(+)クリックします。
表示された空のワークシート[Sheet2]で、
A1セルにタイトルを入力しA1:G1を範囲選択し「結合して中央ぞろえ」、
B3セル、C3セルにデータ表の項目名を入力後、A4セルに半角で日付データ”18/4/1”を入力。
A4セルに入力確定後右クリックメニューで[セルの書式設定]を選択します。
開いた『セルの書式設定』ダイアログで次のように書式を設定します。
A4セルをA15セルまでオートフィルします。
数式バーで確認出来ますが、1日単位で増加してしまっています。
そこでオートフィルをマニュアルで修正するために「オートフィルオプション」をプルダウン。
[連続データ(月単位)]を選びます。
A列の列幅に収まりきらない内容のセルが生じるのでA列とB列の列記号の境界上でダブルクリック(自動列幅調整)。
各月の気温データを入力後、データ範囲に対して[小数点表示桁上げ]と[小数点表示桁下げ]を行い、
有効数字を少数以下第1位に揃える。
各月の売り上げデータを入力後、データセル範囲(B4:C15)を選択し、選択範囲末端の「クイック分析」をクリック。
『グラフ』→一番左の『散布図』を選択します。
グラフが出てきたら『グラフ編集』をクリックします。
『軸』『軸ラベル』『目盛線』『近似曲線』のみチェックが入った状態にし、『近似曲線』右の>をクリック。
出てきたメニューから『その他のオプション』を選択。
出てきた『近似曲線の書式設定』で『グラフに数式を表示する』『グラフにR-2を表示する』にチェック。
『近似曲線の書式設定』を閉じます。
グラフオブジェクトの配置をE5:K26セル範囲に合わせます。
グラフ横軸の『軸ラベル』テキストボックスを、クリックして編集モードにして”軸ラベル”を上書き修正します。
テキストボックス内を”軸ラベル”から”気温(℃)”に書き換えます。
グラフ縦軸の『軸ラベル』テキストボックスを、クリックして編集モードにして”軸ラベル”を上書き修正します。
テキストボックス内を”軸ラベル”から”売上(本)”に書き換えます。
グラフ内の近似直線の数式(y=)および決定係数(R
2
=)のテキストボックスをクリック選択し、フォントサイズを12にします。
相関係数Rは、値が1に近ければ近いほど近似直線(理論値)によるデータプロット(観測値)の再現性が良いことになります。
上の結果ではR=0.9984と非常に再現性が高い関係式が得られたので、この関係式をもとに
平均気温が(x
1
)℃のときにどのくらいの売上(y
1
)本が期待できるか算出するワークシートを構築します。
まず、グラフに表示されるのみの気温(x)と売上(y)の関係(y = ax + b )をワークシートの計算でも使用できるように、
C18セルに傾き a の値、C19セルにy軸切片 b の値を算出するようにします。
ラベルとして”x”,”y”,”a=”,”b=”,を入力後、”a=”の計算のためC18セルを選択。
『数式』→『関数ライブラリ』→『その他の関数』→『統計』→『LINEST』を選択します。
『関数の引数』ダイアログが現れると、『既知のy』のテキストボックスが選択されており、
入力を待っているので、(y)データセル範囲(C4:C15)をドラッグして選択します。
次に『既知のx』のテキストボックスををクリック選択し、入力待ち状態にします。
(x)のデータセル範囲(B4:B15)をドラッグして選択します。
『定数』は空白のまま『補正』テキストボックスに”false”とキー入力し、『OK』します。
C18セルにaが計算されます。
このとき、ExcelのバージョンによってはD18セルに数値が表示される場合があります。
これはbの値なのですが、この段階ではそのままにしておきます。
bも同じ関数と引数から計算でき、C18セルとほぼ同じ数式になるので、とりあえずC18からC19にオートフィルでコピーします。
ただコピーしただけでは結果がエラーになるので、C19セルをダブルクリックして再編集、問題を確認します。
LINEST関数の「既知のx」範囲と「既知のy」範囲がずれてしまっています。
既知のx範囲と既知のy範囲の枠をドラッグして修正します。
まず、既知のx範囲の
赤枠
の位置を修正します。
次に、既知のy範囲の
青枠
の位置を修正します。
修正が済んだら[Enter]キーを押してC19セルの内容を確定します。
修正したC19セルはC18セルと全く同じ数式になっているので表示される数値も同じです。
C19セルではbの値がほしいのですがbの値は”LINEST”関数の2番目の結果として計算されます。(1番目がa)
LINEST関数はそのまま用いると1番目の値しか返しません。
LINEST関数の2番目の結果を取り出すには”INDEX”関数を使います。
C19セルをクリックすると『数式バーに』C19に入っている数式が表示されるので、
今度はここで数式を書き換えて”LINEST”の2番目の結果を取り出せるようにします。
”=”と”LINEST”の間に”INDEX(”を加えます。
さらに”FALSE)”の後に”,2)”を加えます。(2の前のカンマを忘れずに)
修正が済んだら[Enter]キーを押してC19セルの内容を確定します。
bの値が計算できました。
ここで、D18セルにbの数値が表示された場合の対処をします。
C18セルをクリックすると『数式バーに』C18に入っている数式が表示されるので、
C19セルと同様に数式を1番目の結果のみを表示するように、以下のように書き換えます。
=INDEX(LINEST(C4:C15,B4:B15,,FALSE),1)
[Enter]キーで確定します。
C18セルの a の値、C19セルの b の値をもとに売上予測をしてみます。
A30セル、C30セル、G30セル、B29セル、F29セルにテキスト入力
予測を行う温度としてとりあえず30をB30セルに x
1
の値として入力し、
F30セルに y
1
= ax
1
+ b が計算されるように数式を入力していきます。
まず、”=”をキー入力し、続いてaの値をとるためにC18セルをクリックします。
次に掛け算の記号”*”をキー入力し、続いてx
1
の値をとるためにB30セルをクリックします。
次に足し算の記号”+”をキー入力し、続いてbの値をとるためにC19セルをクリックします。
間違いなく入力できたら[Enter]キーを押してF30セルの内容を確定します。
予測値が正しく計算できるワークシートが完成したら、
予測対象の温度を変化させてみたり、相関関係のもととなる月間データが変化しても
予測結果が追従するのを確認してください。
●課題
自身の学生番号を千分の一した値(例:21999なら21.999)を月平均気温としたときの、
売り上げ本数の予測値を提出。