第三回ブナ林からの恵みシンポジウム
〜薬用植物資源の活用と保全-自然から生まれた色・彩そして健康〜
開  催  要  項

>開催の主旨
 丹後半島には、全国土のわずか3.9%しか残っていないと言われる貴重なブナの自然林があり、そこには豊富な植物や動物が生息しやすい環境が整っています。
 京都府宮津市と大宮町が接する標高600mから700mの丹後脊梁ともいえる急峻な山塊は、京都府のみならず近畿地方でも有数のブナ林で、低海抜のところから極相に近いブナ、ミズナラなどの自然林があり、一帯は特に自然度が高く、種の多様性も堅持している学術的にも貴重な地域であります。
 森林の伐採による災害、酸性雨による森林の枯死、さらには化石燃料の大量消費に伴う地球の温暖化等、地球環境が世界的規模で問題になっている今日、生物資源の保護および保存や種の多様性の重要性が世界のあらゆる地域・機関で強調・指摘をされているところですが、私たちは将来にこの貴重な自然を伝えていくことを真剣に考えていかなければなりません。
そして、豊かな保水力の緑のダムとも呼ばれるブナの自然林を守るためにも、私たちがいま取り組んでいかなければならない課題であるともいえるのではないでしょうか。
 京都府宮津市と大宮町では、このような取り組みの一環として、今回国内の生薬・薬用植物研究者の皆様に集まっていただき、第3回ブナ林からの恵みシンポジウム「植物資源の活用とその保全-自然から生まれた色・彩そして健康-」をテーマに講演会を開催し、また指導者先生方の多大なご協力によりまして「丹後のブナ林の有用植物」について、秋のブナ林を中心とした植物観察会を行うことといたしました。
 丹後の自然の豊かさを知っていただくとともに、植物の保護の大切さと薬用植物資源の多岐に亘る利用の方法をみなさんと一緒に学びたいと考えております。
 また、今後も毎年こうしたシンポジウムを開催させていただき、これらの自然環境を考えると同時に、ブナ林等広葉落葉樹林に対する意識の高揚、さらには自然保全のために広く呼びかける機会を創り上げていくこととしています。

>開催日時・場所
日時:平成13年11月3日(土)〜4日(日)

講演会:3日(土)午後2時〜5時
・会場 大宮織物ホール(大宮町字周枳1)
「健康と漢方と色」
 神田博史 氏(広島大学医学部附属薬用植物園 助教授)
「薬用・染料植物ムラサキの栽培について」
 川西史明 氏(武田ヘルスケア株式会社 特別顧問)
「日本の色」
 吉岡幸雄 氏(染司よしおか五代目 染色研究家)

・参加対象:府内にお住まいの方(参加無料) 約200名

観察会:4日(日)午前9時〜3時
・自然観察コース:高山周辺のブナ林一帯と丹後縦貫林道の2コース
 A 内山折り返しコース(五十河小町公園←→ブナハウス内山)
 B 縦貫林道眺望コース(縦貫林道)

・講 師
佐竹元吉 元厚生省医薬品食品衛生研究所生薬部長
関田節子 国立医薬品食品衛生研究所筑波薬用植物栽培試験場場長
東山芳行 宮津市文化財審議委員・自然観察指導員
吉田尚利 元北海道大学薬学部附属薬用植物園
藤野広春 富山医科薬科大学附属薬用植物園 助手
御影雅幸 金沢大学薬学部附属薬用植物園 教授
後藤勝実 京都薬科大学附属薬用植物園 助手
瀬川隆夫 武田薬品工業株式会社京都薬用植物園
秋田 徹 日本新薬株式会社山科植物資料館
川西史明 武田ヘルスケア株式会社 特別顧問
神田博史 広島大学医学部附属薬用植物園 助教授
矢原正治 熊本大学薬学部附属薬用植物園 助教授

・参加対象:府内にお住まいの方(参加無料) 約70名

〈主 催〉ブナ林からの恵みシンポジウム実行委員会
 委員長 後藤勝実(京都薬科大学附属薬用植物園)
 事務局 大宮町役場 企画商工課(TEL 0772-64-2401 FAX 0772-64-5000)
〈後 援〉(社)日本植物園協会・(社)京都府薬剤師会・京都新聞社・宮津市・大宮町