ビンロウジュ

Areca catechu Linn. ヤシ科

 原植物はマレー半島産で、インドネシア・フィリピン・中国等、熱帯地方に広く栽培される。
 「ビンロウ」の名前は中国名の「檳榔」から来ている。 「賓」と「郎」は共に貴客の称であり、広東省一帯では一般に、貴い勝れた族客には必ず先ずこの実を差し出すことになっており、 もし差し出さないと、甚だ礼をつくさぬものとして感情を害することになる、と昔の書物にある。
 薬用としては健胃、消化、収斂、駆虫、止瀉薬として用いられる他、脚気、腫脹、腹痛、消化不良、便秘、條虫駆除などに応用する。 また、副交感神経興奮作用および中枢抑制作用もあり、縮瞳、眼圧血圧降下薬の原料ともなる。