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現代の生命科学分野において、生体元素の新しい作用を見つけることは、新しい生命現象の発見や解明につながる可能性を大いに秘めている。原子吸光分析、ICP質量分析やRIトレーサーを用いた生体微量元素の動態解析を目的として、人血液中や動物組織中の金属元素濃度の定量を中心に据えた生体元素の分析を行っている。
本研究分野で行っているメタロミクス研究の一つ目として、特殊な血縁関係をもつ東南アジア地区原住民の血清中微量元素濃度を網羅的に解析し(メタロミクス分析)、生体微量元素と疾病との繋がりを解明する臨床研究に着手している。
また、二つ目として、HSAB則、酸化還元電位や3d軌道の電子配置の相違に着目した第一遷移系列金属イオンおよびそれらの錯体を一連の化合物群としてメタロミクスライブラリーを構築し、酸素ラジカルとの反応親和性、脂質過酸化反応の抑制活性、膵アミラーゼ阻害作用、α-グルコシダーゼ阻害作用、膵リパーゼ阻害作用、およびアンギオテンシン変換酵素阻害作用(ACE阻害効果)に関して構造活性相関研究を行っている。
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